今回の記事では、末永幸歩さんの著書『13歳からのアート思考』を紹介します。
アートの本に見えて、実は「自分の頭でものを考える力」について深く問いかけてくれる一冊です。
何度読み返しても脳が刺激される感覚があって、定期的に手に取りたくなる、私にとって特別な本になっています。
- 「正解」をすぐ検索してしまう自分に気づいてしまった序章の言葉
- 常識を疑い続けたアーティストたちから学べること
- 「自分なりの答え」を持って生きていくとはどういうことか
序章の一文に、ハッとさせられた

この本を手に取るたびに、毎回立ち止まってしまうのが序章の言葉です。
じっと動かない1枚の絵画を前にしてすら「自分なりの答え」を作れない人が、激動する複雑な現代世界のなかで、果たしてなにかを生み出したりできるでしょうか?
本文より引用
そしてもう一つ。
私たちは「自分だけのものの見方・考え方」を喪失していることに気づいてすらいない
本文より引用
読んだ瞬間、正直ドキッとしました。
わからないことがあれば反射的にスマホで検索して、映画や本の感想を読む前に誰かのレビューを先にチェックして、「みんながいいと言っているから、きっといいんだろう」と自分の感覚を後回しにしてしまっている。
そんな習慣が、いつの間にか染み付いていることに気づかされたのです。
思い当たる節があった方は、ぜひ読んでみてください。
「リアル」ってなんだろう?常識を疑うことの面白さ

この本の核心のひとつは、「当たり前だと思っていたことを問い直す」という姿勢です。
たとえば、「素晴らしい絵画とはリアルに描かれているもの」という感覚、多くの人が持っていると思います。
私もそうでした。
でも、著者はこう問いかけます。
「リアルさ」とはそもそも何か?
遠近法で描かれた絵を「リアル」と感じるのは、私たちがそういう見方に慣れているからにすぎないのではないか、と。
本書では、マティス、ピカソ、カンディンスキー、デュシャン、ポロックといったアーティストたちが次々と「その時代の常識」を打ち破ってきた歴史が描かれています。
- マティスは「目に映るとおりに描くこと」という制約から絵を解き放った
- ピカソは遠近法によるリアルさの表現に縛られることをやめた
- デュシャンは「アート作品=美しいもの」「アート=視覚芸術」という前提そのものを疑った
彼らは時代の空気に流されず、自分の興味と疑問を軸に探求し続けた。
そしてその結果として、歴史に名を残すことになりました。
「世の中の当たり前を疑い、自分で答えを探していく人」に対して、私はずっと憧れを持っていました。
この章を読んで、その憧れの正体が少しクリアになった気がします。
自分もそういう姿勢で日々を生きていきたい、とあらためて思わせてくれました。
美術館に足を運ぶとき、次回からは「これは好きかどうか」だけでなく、「なぜ自分はそう感じるのか」を少しだけ考えてみるのもいいかもしれません。
「自分なりの答え」を持つことが、生きる軸になる

本書のエピローグに、まとめとしてこんな言葉があります。
自分の愛することを軸にしていれば、目の前の荒波に飲み込まれず、何度でも立ち直り、「表現の花」を咲かせることができる
本文より引用
これはアートの話に留まりません。
仕事のことも、生き方のことも、「このままでいいのかな」という漠然とした不安も、結局は「自分が何を大切にしたいのか」という軸があれば、少し楽になるのではないかと思います。
興味を持ったことをとことん調べて、人の評価に流されるのではなく、自分なりの考えをしっかり持って生きていく。
それがこの本のメッセージだと、私は受け取っています。
もし気になったら、まず序章だけでも読んでみてください。きっと何かが引っかかるはずです。
まとめ

『13歳からのアート思考』は、アートの入門書のようなタイトルですが、本質的には「自分の頭でものを考えること」を取り戻すための本です。
- 「自分だけのものの見方」を失っていることに、私たちは気づいていない
- 歴史に名を残したアーティストたちは、時代の常識を疑い、自分なりの答えを探し続けた
- 興味と好奇心を軸に探求できれば、誰でも「自分なりの答え」を持てる
何度読んでも新しい気づきがある、という本にはなかなか出会えませんが、この本は間違いなく、新しい気づきがある一冊です。
仕事や生き方にモヤモヤを感じているとき、少し立ち止まって手に取ってみてほしい一冊です。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。


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