川で水風呂、に憧れて

サウナが好きです。とはいえ、いつも通うのは近所のスーパー銭湯や、駅前のサウナ施設。水風呂といえば、水道水を冷やしたあの四角い浴槽しか知りませんでした。
SNSでたまに見かける「川が水風呂」のアウトドアサウナには、正直ずっと憧れていました。
でも、一人だとなかなか手が伸びなくて。今回は、パートナーから「大分に、自然の中で入れるサウナがあるよ」とおすすめされたのがきっかけで、実際に行ってみることにしました。
自然の中でととのってみたい。そう思いながら予約を入れてから当日までの数週間、正直ずっとそわそわしていました。
ロッジきよかわってどんなところ?

ロッジきよかわ(正式名称は「里の旅リゾート ロッジきよかわ」)は、大分県豊後大野市にある川沿いの宿泊施設です。
ツリーハウスなどの個性的な棟が点在していて、川沿いには3つのテントサウナが設置されています。
豊後大野を訪れて知ったのですが、大分県内で温泉が湧かないのは豊後大野市と津久見市の2市らしいです。
だからこそ豊後大野は「サウナ」を町の名物として押し出しているそうです。
実際、市内にはサウナ施設がいくつも点在していて、温泉のかわりにサウナ文化が根付いている、という雰囲気を随所で感じました。
車で施設に向かう道中も、山と川に囲まれた景色が続いていて、着く前から少しずつ気持ちがほぐれていくのが分かりました。
ツリーハウス「TREE HUT」に泊まる

今回泊まったのは、TREE HUTというツリーハウスの棟です。
小さな階段をのぼり、上にあるハッチのような扉を開けて中に入る作り。子どものころに秘密基地を作って遊んだ感覚がよみがえって、それだけでちょっとテンションが上がりました。
正直に書いておくと、部屋の中にアメニティ類はなく、トイレとシャワーは共同です。お手洗いに行くたびに階段を降りなければいけないのは、慣れるまで少し面倒でした。
それでも、この不便さも含めて「非日常の冒険」として楽しめる作りになっているな、というのが正直な感想です。
部屋にはハンガーが3つと、ちょっとした物干しスペースがあって、水着やタオルを干すには十分でした。
外にはハンモックが吊るしてあり、揺られながらぼんやりするだけでも心地よい時間になると思います。
夜は焚火をレンタルしました(2,000円)。
パチパチと火の音を聞きながらお酒を飲む時間は、それだけで来てよかったと思える贅沢さがありました。
周りに街灯が少なく、普段の生活ではなかなか味わえない静けさに包まれていました。
主役は、川が水風呂のテントサウナ

今回いちばん楽しみにしていて、実際にいちばん心を動かされたのが、このテントサウナです。
予約は宿泊予約と同じタイミングで、ネット上でまとめて取れます。1回の利用時間は2時間。使われているのはフィンランド製のテントサウナで、外には浮いているような座り心地のリクライニングチェア「インフィニティチェア」と小さなテーブルが置かれています。
サウナ内は薪ストーブで温めるスタイルで、温度計を見ると97度くらいまで上がっていました。
45分に1回ほどのペースでスタッフの方が薪を足しに来てくれます。
サウナストーンに水をかけて蒸気を出す「ロウリュ」もでき、備え付けのアロマ入りロウリュ水を使わせてもらいました。
木製のベンチは素肌だと熱く感じるくらいなので、サウナマットや敷きタオルを持参するのがおすすめです。
テント内は思ったより広く、4~5人くらいまでは一緒に入れそうな広さでした。
そして、水風呂にあたるのが目の前を流れる川です。

「きよかわ」という名前のとおり、水がとにかく澄んでいてきれい。
水温は冷たすぎず、ちょうどよく感じる温度で、いつも施設の水風呂だと数十秒で出てしまうわたしが、今回は自然と長く浸かっていられました。
いちばん忘れられないのは、1回目のサウナから上がったあとの休憩です。
川から上がる前から、もう頭のあたりがポーッとしはじめていました。
そのままインフィニティチェアに体を預けて目を閉じると、聞こえてくるのは川の流れる音と鳥の声だけ。
しばらくそうしてから目を開けると、目の前にはきれいな川と、生い茂る木々の緑が広がっていて。
「アウトドアサウナって、こんなに気持ちよくて癒されるものなんだ」と、頭ではなく体でわかった瞬間でした。
今までの人生でいちばんのサウナ体験でした。
施設のサウナでもととのうことはありますが、景色や音まで含めて全身で受け止める感覚は、ここでしか味わえないものだと思いました。
2回入って分かったこと

滞在中は、サウナに2回入りました。
1回目は到着した日の夕方、少し曇り空のとき。2回目は翌日のお昼、快晴のときです。
晴れの日は青空と川、緑のコントラストが本当にきれいで、景色だけでも価値がありました。
ただ、休憩中に日差しがしっかり当たるので、日焼けが気になる方には曇りの日のほうが快適かもしれません。
わたしも2回目は少し肌が焼けましたが、日焼けも今回の旅の記念のようなものだと思うと、あまり気にせず過ごせました。
夏場は19時近くでもまだ明るく、川の水は1回目のときより気持ち冷たく感じましたが、それでも不安なく浸かれる温度でした。
天気による見え方の違いはあっても、川の心地よさそのものは、どちらも変わりませんでした。
実用情報(訪問時点・2026年7月)

ここからは、訪問時点(2026年7月)の情報をまとめます。
時期によって変わる可能性があるので、最新情報は公式サイトでチェックしてみてください。
アクセス
大分空港から高速道路を使って車で約1時間半。大分駅からは車で約50分です。
費用の目安
サウナは宿泊者だと1人1,500円(日帰り利用は2,500円)。
今回はサウナを2回利用したので、1人あたりサウナ代3,000円+宿泊費1棟9,200円で、合計は約12,200円でした。これに焚火レンタルの2,000円が加わります。
持ち物
必須なのは水着(Tシャツなどでも問題ないそうです)、サンダル、タオル。あると安心なのは、休憩時にはおれるパーカー、サングラス(晴れた日のインフィニティチェア休憩でとても重宝しました)、サウナマットです。
混雑具合
宿泊していたのはわたしたちのほかに2組だけでした。
サウナには日帰り利用の方もいましたが、混雑を感じることはなくゆったり過ごせましたし、シャワーも待つことはありませんでした。
シャワールームにはボディソープとリンスインシャンプーが備え付けられていましたが、気になる方は持参すると安心です。
ドライヤーや歯ブラシ、綿棒、虫よけスプレーなどのアメニティも用意されていましたが、こちらも事前に公式サイトで確認しておくと確実です。
周辺観光もセットで

今回は2泊3日の行程で、1泊目にロッジきよかわ、2泊目に阿蘇に宿泊しました。
行きはお昼前に大分空港に到着し、まず湯布院でお店を巡りました。湯布院からロッジきよかわまでは車で約1時間15分。そこから17時にサウナ1回目、という流れです。
翌日はチェックアウト後、原尻の滝に立ち寄ってから大観峰へ。ロッジきよかわから大観峰までは車で約1時間の距離でした。そのまま阿蘇に宿泊するルートです。
もし1泊2日でロッジきよかわに行くなら、原尻の滝と大観峰をセットで巡るルートがちょうどいいと思います。
わたしも実際に立ち寄ってみて、滝のダイナミックさと、大観峰から見渡す阿蘇の景色に、サウナでゆるんだ体がまた気持ちよく刺激されるのを感じました。
こんな人におすすめ

今回の体験を振り返ると、サウナが好きな方や自然の中で癒されたい方には、きっと気に入ってもらえる場所だと思います。
毎日満員電車に揺られて仕事にいっぱいいっぱいになっている方にも、心からおすすめしたいです。
カップルはもちろん、家族や友人グループで訪れても楽しめそうな雰囲気でした。
実際、隣の棟に泊まっていたのは家族連れのグループで、子どもたちが川で水遊びをしている姿も見かけました。
「一人でも楽しめる?」と聞かれたら、サウナ自体は一人でも十分に楽しめると思います。
宿泊は1棟貸しのため一人だと割高になってしまいますが、日帰りでサウナだけ利用するなら、女性一人でも問題なく楽しめそうです。
むすび
帰り道、車の中で「これは、また来るしかないな」と思いながら、スマホで早速、関東近郊にアウトドアサウナがないか調べはじめていました。
豊後大野には今回訪れた場所以外にもサウナ施設がたくさんあるようなので、次はそちらも巡ってみたいと思っています。
日常に戻ってからも、あの川の音とインフィニティチェアの浮遊感を、ふとした瞬間に思い出すことがあります。
自然の中でととのう週末は、思っていたよりずっと身近にありました。この感覚を忘れないうちにと、気づけばもう次のアウトドアサウナ先を探して、地図アプリを開いています。

