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絵を鑑賞するってどういうこと?どこを観ればいいの?正しい見方ってなに?そんなふうに思っていた時期が、わたしにもありました。
もし正解を探しているなら、先に言っておきたいことがあります。
絵の見方に正解はありません。好きなように観るのが、いちばんです。
自分なりの見方や捉え方を見つけること。それが、アートと向き合うことだとわたしは思っています。
わたしも「正しい見方」を探していました

最初のつまずきは、まさに冒頭の問いでした。
鑑賞するってどういうこと?どこを観ればいいの?と迷ってばかりいたんです。
そんなわたしに大きな影響を与えたのが、末永幸歩さんの『13歳からのアート思考』という本でした。
「鑑賞」のためというよりも、作品情報と実物を照らし合わせる「確認作業」のために美術館に行っていたようなものです。
(出典: 末永幸歩『13歳からのアート思考』ダイヤモンド社)
この一文を読んだとき、まさに自分のことだと思いました。作品情報を確認するだけで、鑑賞した気になっていたんです。
本書では「アウトプット鑑賞」という考え方が紹介されています。これから紹介する①②の視点は、ここから影響を受けたものです。
解説を観て満足するのではなく、まず自分がどう思うか、何を感じるかを大切にしよう。そう考えるようになりました。
はじめて実践したのは、大原美術館でした。
『13歳からのアート思考』については、以前詳しく感想を書きました。
わたしが絵の前で考えている5つのこと

わたしが絵の前で考えているのは、この5つです。
① 第一印象を言葉にしてみる
まず大切にしているのは、絵全体から感じる雰囲気を言葉にすることです。きれい、悲しい、幸せそう、明るい。そんな第一印象を言語化してみます。
言語化しようとすると、絵をふわっとしか見ていなかった状態から、細かいところまでちゃんと観るようになります。
② なぜそう感じたのかを分解する
次に、言語化した印象について、なぜそう感じたのかを考えます。ここまで分解すると、自分なりの捉え方がだいたい見えてきます。
たとえば「全体的に暗い印象」だとしたら、使われている色のトーンが暗く、描かれている人の顔も悲しい顔をしているからかもしれません。
③ 画家の心境を想像してみる
この画家は、どんな心境や考えでこの絵を描いたのか。絵の向こうにいる画家にも、想像を広げてみます。
「この頃、なにか悲しいことがあったのかも」「前向きな気持ちで描いていたのかな」「人々の幸せな雰囲気を形にしたかったのかな」。そんなことを考えます。
絵そのものだけでなく、画家にも考えを伸ばすと、より注意深く絵を観るようになります。
④ 気になったら解説を読む
ここまで自分なりに考えたうえで、気になれば絵や画家の解説を読みます。
答えはないので、答え合わせをする必要はありません。解説で答えを確かめたいわけではないんです。
そういう特徴や解釈の仕方もあるのか。そんな発見をするために読んでいます。
⑤ 好きかどうかを大事にする
最後に、単純に好きかどうか。この感覚は、いつも大事にしています。
世の中で名画と言われていても、好きだなと感じないことはあります。反対に、無名の作品が心に刺さることもあります。
好きな絵は写真に収めたり、作品名をメモしたりして、自分の好きを貯めていきます。
ピカソの絵で試してみると、面白さが増えました

大原美術館の『鳥籠』、山形美術館の「剣を持つ男」。ピカソの絵は、よくよく見ると面白いと思うことが多いです。
この二つの作品は、なぜこんな構図にしたのだろう?なぜこういう描き方をしたのだろう?と自分なりに考えると、面白さが増していきます。
『鳥籠』は、最初は何を描いているのかすぐにはわかりませんでした。
ぼんやり眺めているうちに、なぜ鳥籠なのか、この人物はどんな感情を持っているのかと、自分なりに考え始めていました。
山形美術館の「剣を持つ男」については、以前の記事でも書きました。
左手に剣を持つ、耳の大きな男が描かれています。
右手はどうなっているのか、なぜ耳がこんなに大きいのか。考えながら観るのが、ピカソの絵の楽しみ方だと思っています。
大原美術館の『鳥籠』は、こちらの記事でもう少し詳しく書いています。
観たあとは「好き」を貯めていく

気に入った絵はポストカードを買います。作品名と画家の名前をスマホにメモすることもあります。
そうして貯めた好きが、次の展覧会や、日常でふと目にする絵への興味につながっていく気がします。
誰かと一緒に観に行ったときは、感じたことや好き嫌い、感想をお互いに共有し合うのをおすすめしたいです。
「そういう見方もあるんだ」という発見があって、さらに面白くなります。人によって感じ方はさまざまなんだと、よくわかります。
最初の一歩は「第一印象を言葉にする」から

もし何から始めればいいか迷ったら、まずは第一印象を言葉にするところから、やってみてほしいです。
言語化すると、自分がこう感じているんだ、ということに気づけます。
一人で美術館に行くこと自体に迷いがある方は、こちらの記事も参考にしてみてください。
正解探しはお休みして、まずは目の前の一枚を自分の言葉で。そこから少しずつ、自分なりの観方を見つけていけたらいいなと思います。




